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緑豚についての蘊蓄

 現状の畜産事情では、美味しい豚肉を効率よく生産するために、複数の品種の交配を行ない雑種化を進めるのが最良の方法とされています。

 黄豚と青豚を交配させて生まれた緑豚は、二元交配と呼ばれますし、この緑豚に白豚を交配させた場合は三元交配となり、両親の平均値を超えた市場価値のある薄緑豚になります。まるで光の三原色の関係か絵の具の混ぜ合わせのようですね。

 通常は、このようにして作り出された三元交配の薄緑豚が、丈夫で発育が早く子豚の生産能力も高い種豚として肥育され、出荷されます。この豚は、緑豚特有の緑臭さ(青汁を牛乳で割ったような臭い)が和らげられ、大変美味な肉質をもちます。

 薄々お気づきでしょうが、薄緑豚に白豚を交配させて生まれた四元交配の豚は薄々緑豚になります。

 ところで、緑豚の料理法ですが、下関では豚刺料理が有名です。江戸時代に馬関(現在の下関市)を訪れた水戸藩の浪人が、河(友田川:下関市安岡町を流れる小さな川)にいた豚を河豚(ふぐ)と勘違いして刺身で食べたのが豚刺料理の起源といわれています。桜田門外の変か何かがあったためによっぽど気が動転していたのでしょう。

 下関の豚刺は、河豚刺のように、安岡産の小ネギと紅葉おろしとだいだい酢とを加えた醤油をつけて食すのが本来の食べ方ですが、豚を生で食べるのは気持ち悪いということで、せっかくの刺身をしゃぶしゃぶにして食べる人がほとんどです。

 緑豚は動物でありながら、植物のように葉緑素を多く含んでいます。葉緑素による強い自己殺菌機能を持っているので、生で食べても安心ですが、食べ過ぎは要注意です。葉緑素の取り過ぎによる緑変症のおそれがあります。緑変症とは、顔色が緑色ぽくなる症状です。健康上の問題は全くなく、むしろ植物のように顔で光合成を行って血液中に酸素を取り込むことができるようになるため、マラソン選手やサッカー選手など酸素消費量の多いスポーツ選手にはうってつけなのですが、なにしろ顔が緑になるので病人と間違えられてしまいます。

 余談ですが、黒豚は、純粋なバークシャー種同士の交配によって生まれた豚です。この豚は、基本的に皮膚の色が黒いことから黒豚と呼ばれ、鹿児島県のブランド品になっています。しかし現状では、バークシャーと、その他の品種の交配によって生産された豚肉と、純粋な黒豚であるバークシャー種のみから生産された豚肉の見分けがつかなくなってしまった感があります。

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by shimoochiai-hompo | 2017-10-03 12:26 | 下落合本舗関連
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